
これ、今季海外から輸入したチョコレートの新商品なんですよ!
会社から売ってこいっていわれてまして。採用してくださいよー
いやあ、御社の商品は当たり外れありますからねえ苦笑。
本当に(消費者に)売れますかねえ?
なんとかお願いしますよ!
(輸入品ってだけで特別美味しいわけじゃないし、売れないと思うんだよなあ。会社からノルマ課せられてるのは分かるけど)
うーん・・・1回はやってみてもいいですが、
継続するかどうかは数字次第ですよ
こんにちは、しかシカです。
僕は現在の仕事で、
小売業相手に食品の営業をしています。
上の会話は、上司と
得意先を訪れたときの実話。
僕の上司、すぐ商品を
押し売りするんですよね。
人柄がいいのもあって、
いつも勢いで押し切っちゃうのは
ある意味スゴいんですが。
よく「ビジネスは課題解決だ」
「クライアントのニーズを満たすことだ」
と言われますが、
僕自身、この考えに
イマイチ納得できないところがありました。
自分の上司が
典型的な押し売りスタイルだから、
(というか会社の社風そのものが)
「それって課題解決になってんの?」って
突っ込みたくて仕方がない。
ちなみにこの海外チョコレート、
小売店で採用してもらったものの
見事なまでに消費者に相手にされなくて。
「小売店の売上を上げたい」という
ニーズに応えることができず、
少なからずクライアントの
信用を落とすことになりました。
こういったことは、
一度や二度じゃありません。
課題解決って、
なんかピンとこないなあ。
そう思っていたときに
「なるほど!」と考えさせられたのが、
アメリカのマーケティングコンサルタント、
ジェイ・エイブラハム氏の
「卓越論」という理念。
「卓越論」とは、
常に自分のニーズ(利益)より
クライアントのニーズを
優先させることができる能力のこと、
と説明されています。
これだけではまだ
ピンとこなかったのですが、
ジェイ氏の著書『ハイパワー・マーケティング』に
書かれている以下の文章を読んで、
一気に理解が深まりました。
こちら。
仕事においても日々の暮らしにおいても、自分自身や自分の決断について肯定的な気持ちを抱きたいと思うのは、人間として当然~(人間は)最高の決断をしたと思われたい
ところが正しい決断がはっきりとわからないときもあります。そうすると、まず直感として、行動を起こさないようにしようと思います。間違った行動を取るのは怖いし、バカだと思われたくないから~
確かに、僕らのクライアントも、
「正しい決断」かどうか
自信が持てないから不安になっていた。
付き合いも長いから一度は買ってくれたけど、
きっと「ほれ見たことか、売れなかったじゃん」と
心のうちで思っているはず。
対して僕ら自身、
会社からノルマを課せられたから
セールスをしているだけであって、
商品に絶対の自信を持っているわけでもない。
クライアントのニーズを
優先させるのであれば、
もっとふさわしい提案があった。
自分たちのニーズ(利益)を優先していた。
相手の不安を取り除き、自信を持たせ、
決断を後押しする必要があったわけです。
そうすれば、結果的に
消費者に売れなかったとしても、
「今回は残念でしたね。けれどまた、
良い商品を提案してくださいよ」
と良好な関係をキープすることはできます。
ただそうはいっても、
サラリーマンという立場の弱さも
ありますよね。
会社が満を辞して送り出した
商品やサービスを、
質の良し悪しは抜きにして、
組織の兵隊として
文句も言わず売ってこないといけない。
人々の「ウォンツ」、
つまり欲求が多様化したこの時代、
企業があれにもこれにも
応えていくのって
かなり無理ゲーなんですよね。
商品やサービスの点数を増やせば増やすだけ、
それらにかかるコストも
右肩上がりで増えていくから。
開発経費だったり在庫リスクだったり、
アフターケアにかかる人件費だったり。
ゆえにターゲットを絞ることができず、
凡庸なものが出来上がってしまうケースが多い。
クライアントの課題解決に努めたい。
そう思ってはいるのに、不安を取り除き、
背中を後押しできるような
商品・サービスがない。
「こんなの売れねーよ」
みたいなものばかりノルマを課せられて。
マジで辛いですよね。
それに比べると個人の情報発信は、
なんと小回りがきいて
「卓越論」の理念を生かせることか。
こっちのブログ記事は、
こんな課題を抱えている
人に向けて書こう。
別の記事では、
こんな課題を抱えている
人に向けて書こう。
たとえば男性に向けて
「彼女を作る方法」を発信するとしたら、
小太りで身なりがダラシない人と、
顔はいいけど口下手で女性と
うまく話せないという人では、
結論がまるっきり変わりますよね。
AにもBにもCにもDにも応えるというのは、
企業にはかなりハードルが高い。
一方で、ブログなどを使った
個人の情報発信なら、
あらゆる人の課題に先回りし、
解決策を提示することができる。
卓越論をマスターすることは、
人間を理解する洞察力を手に入れること、
とされています。
洞察力が身につくこと=
人の課題が瞬時に見えるようになること。
課題が見えれば、相手が自信を持って
決断と行動ができるよう、
徹底的に不安を取り除くことができます。
これ、無意識にやっていることかもしれないけど、
意識的にできるのとできないのとでは
大きな差になると思います。
冒頭で書いた僕の経験のように、
課題って「見よう」と
向き合わないと見えないと思うから。
自分の情報発信が誰かの課題を解決し、
人生を変えることにつながったら、
超うれしくないですか?
卓越論の理念と情報発信は相性が良い。
考え方1つ変えて、
あとは実践するだけです。
ぜひ、意識的に
取り入れてみてはいかがでしょうか。
ではまた。
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